【入試問題】慶應義塾大学 総合政策学部 2004年
問題①
天使は常に真実を述べ、悪魔は常に嘘をつく。
A、Bは悪魔か天使であることはわかっているが、どちらかはっきりしない。
Aがこう言った。
「わたしが天使ならば、Bも天使です。」
この二人の正体は「〜〜」である
1,A、Bともに天使 2,Aは天使、Bは悪魔 3,Aは悪魔、Bは天使 4,A、Bともに悪魔
問題②
3人の女神が口論している。もっとも美しい女神はただ一人であるとする。
アテナ「もっとも美しいのはアフロディテではない」
アフロディテ「もっとも美しいのはヘラではない」
ヘラ「私がもっとも美しい」
もっとも美しい女神のみが真実を述べている。それは「〜〜」である
1,アテナ 2,アフロディテ 3,ヘラ
問題①のヒント
Aが天使だと仮定した場合は簡単だと思います。
ただ、Aが悪魔だと仮定した場合、答えはどうなるのでしょうか・・・?
問題②のヒント
「AはBではない」が嘘だとすると、「AはBである」ことになります。
もっとも美しい女神が一人であることに着目してみましょう。
問題①の答えと解説
答えは「1,A、Bともに天使」です。
ヒントにも書いたように、Aが天使であればBも天使です。
ただ、難しいのはAが悪魔だと仮定した場合ですよね。
その場合はこう考えます。
・「わたしが天使ならば」という仮定自体がそもそも嘘。
・そのため、「Bも天使です」という言葉は本当か嘘か分からない。
・よって、「わたしが天使ならば、Bも天使です。」という言葉も本当か嘘か分からない。
・悪魔は”必ず”嘘をつくため、本当か嘘か分からない発言をしたAは悪魔ではない。
※数学的にはより厳密に説明できますが、感覚的に理解するとしたらこうなるかと。
違う例を出すと、「宝くじで一億円当たったら、あなたに1000万円あげます」と言った場合に、
・「宝くじに当選し、1000万円あげた」場合は真実
・「宝くじに当選したが、1000万円あげなかった」場合は嘘
になりますよね。ただ、そもそも宝くじに当選しなかった場合、「宝くじで一億円当たったら、あなたに1000万円あげます」という言葉は少なくとも嘘ではない、ということになるかと思います。
この問題に戻って考えると、「私が天使ならば」という前提がそもそも違うので、この発言は少なくとも嘘ではない、と考えられるかと。
問題②の答えと解説
答えは「2,アフロディテ」です。
アテナとアフロディテの両方が嘘をついているとすると、最も美しい女神はアフロディテとヘラの二人になってしまいます。
なので、アテナとアフロディテのうち一人は真実、もう一人は嘘をついていることになります。
そうなると、3人のうち一人しか真実を述べていないので、ヘラは必ず嘘をついています。
ヘラの発言から、ヘラは最も美しい女神ではないことがわかるので、アフロディテの発言が真実。
よって、最も美しい女神はアフロディテであることがわかります。
コメント